COLUMN
コラム
2021年10月01日
#インシデント – 知ったかテックワード!君もIT博士
カテゴリー:知ったかテックワード
タグ:システム運用, システム開発
システム運用で「インシデント」(Incident)とは、運用トラブルにつながりそうな出来事のこと。
アメリカの保険会社に務めていたウィリアム・ハインリッヒは「1つの重大事故の背後には、29件の軽微な事故があり、その背景には300件の異常が存在する」と述べた。この、背景にある300件の異常がインシデント。たとえば、何かツールが不安定になって何とか使えている状態は、それで1インシデントになる。
よく似た言葉に「アクシデント」がある。こちらは、実際にトラブルや事故-障害が発生した状態のこと。すぐに対応する必要がある。
インシデントは、アクシデントに至る前の段階。インシデントのうちいくつかが実際の障害に発展しかねないから、インシデントを把握して管理しておくことが事故防止になるんだ。これが「インシデント管理」だよ。
システム運用に限った話ではなくて、作業中のミスに気付いて「ヒヤリ」としたとか、装置が不具合を起こしかけてて「ハット」したといった出来事をのことだよ。こうした「ヒヤリ・ハット」で事故に至らなければインシデントに当たるんだ。もちろん、ヒヤリやハットのようにその場で気付けない、あとから気付いた事象もインシデントに該当する。
あと「ログインできない」「パスワードを忘れた」といった問い合わせもインシデントになる。
ちなみに、システム運用ではインシデント管理と呼ぶのに対して、システム開発では「イシュー管理」「チケット管理」といって、開発にまつわるバクレポートや機能要望などを管理していくよ。
インシデント管理の進め方
インシデント管理の基礎になるのが情報の共有だ。インシデント管理表を作って、システム運用のメンバーで共有する。
そして、いつどこでどんな事象が起きたのか、誰がどんな対応をしたのか記録していく。
そうすると、対応の抜けもれがなくなるし、どんなインシデントがどれくらい発生しているか後で分析しやすくなる。対応策を記録していくことで、対応マニュアルの作成にもつながるんだ。
インシデント管理表は、Excelなどで作ってもいいけど、オンラインで共有しておくといい。いつでもどこでも閲覧・編集できるからね。
専用のインシデント管理ツールもあるので検討してみよう。
おまけのコント
ウサギ:最近、セキュリティアラートが増えてる気がする。
カエル:出張先や自宅からリモート接続している人が増えてるからかな。
ウサギ:そう。セキュリティ事故は起きてないけど。
カエル:どんなふうに使っているか確認したほうがいいかも。
ウサギ:インシデント管理に登録しておくよ。
カエル:インシデントって、システム以外に医療分野でもあるんだって。
治療ミスや投薬間違いがあっても体調に異常がなかったとか。
入院中の患者が転倒したけど大ケガはしなかったとか。
そういう医療事故にかろうじて至らない悪い出来事もインシデントになる。
ウサギ:じゃあ、ドアの上に耳が引っ掛かったとかもインシデントかなぁ。
カエル:ウサギの場合はね。
ウサギ:ジャンプして、ドアの上に頭をぶつけたとかもインシデント。
カエル:ウサギとカエルの場合ね。
ウサギ:ドアの上にクビが引っ掛かってもインシデント。
カエル:キリンの場合ね。
ウサギ:ドアからぶら下がってたナマケモノが落ちても・・・。
カエル:そのドア、どこにあるんだヨ!
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