2020年10月13日

今どきのシステム開発会社について、月額制受託開発の株式会社 mofmof さんに聞いてみた

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「新しい事業を立ち上げたい」「従来の業務をシステム化したい」

そんなふうに思っても、専門家でないとむずかしい感じがしますよね。どんなふうに作ってもらえば良いかわからないし、どのくらいの費用と期間がかかるのか予想がつきません。それに、本当に考えていたシステムが実現できるか、はっきりしません。

そこで、お客様に寄りそって、新規事業のシステム開発をてがける株式会社 mofmof さんに話を聞いてみました。答えてくれたのは、エンジニア/代表取締役の原田 敦さんです。

mofmof では、主に、新規事業に特化したソフトウェアや、クラウドの Web アプリケーションの受託開発をおこなっています。「小さく」「早く」開発し、継続的に育てていくという方針のもと、小さな開発チームを月額制でレンタルするというスタイルを採用しています。

作り手として、本当に価値のあるものを作りたい

どうして、このようなスタイルになったんですか?

原田さん:ちょっと長くなるんですけど・・・いち作り手としては、お客様に、喜んでもらえるものを作りたいと思っているんですね。

私自身は、新卒で小さな会社に正社員で入って、Web エンジニアをやっていました。開発はとっても楽しいんですが、それがうまくいくとは限りません。お客様にとって本当に価値があるか、ユーザーにとって本当に役に立つかわからないなかで作ることがたくさんありました。

たしかに、システム開発プロジェクトが、いつまでたっても終わらないとか、相手とのコミュニケーションに問題が起こるとか、炎上することもありますよね。

原田さん:システム開発には、いろいろな理由でむずかしさがあります。お客様には喜んでもらいたいけど、できることは限りがあります。

もしかしたら、規模が小さくて、自分がコントロールしている限りうまくいんじゃないか、という仮説があったんですね。そこで、フリーランスエンジニアとして開発するようになりました。

ところが、実際やってみると全然うまくいかなくて。同じようなことをやっちゃうんですよ。

「これは仕様です」とか、「これ以上は作れない」といって、相手に確認してもらうと、「これじゃあ使えない」、「いや、それでいいって言ったじゃないですか」って言い返しちゃって。これって、自分がいやだった開発そのまんまじゃないか、って思ったんですね。

そんな時期に、月額制で受託開発をやっているという会社がいくつか出てきたんです。

自分のやりたいスタイルとしての月額制受託開発

従来の多くの受託開発は、ウォーターフォールというスタイルです。最初に作りたいものを要件として決めて、業務委託契約として、それを数か月といった期間で一括して作っていきます。そして、最初に決めた内容を作り上げたら完成です。でも、最後まで作ってみたけど、機能が合わないとか、使い物にならないといったことが、起こりやすいといわれていますよね。

原田さん:ウォーターフォールに対して、アジャイルと呼ばれる開発スタイルでは、最終的にどんなものになるか決めないで、依頼側と確認しながらちょっとずつ作っていきます。

最初に、MVP(Minimum Viable Product)と呼ぶ実用最小限の製品を作ります。そして、MVP を使って、本当に役に立つか、想定していた利用者が本当に喜んでくれるか、仮説を検証していくんです。それから、さらに依頼側やユーザーの意見を聞きながら、継続的に製品を改良していきます。

どのくらいの期間作ることになるのかわからないので、準委任契約として、月額制で開発費用をいただきます。

このスタイルでやっている会社が出てきたとき、ああ、これが自分のやりたかった開発スタイルかなぁって。

月額制受託開発を成功させるマインドセット

アジャイル開発のメリットとして、本当に価値のあるものが作れるとか。開発プロジェクトが炎上しにくいと、言われていますよね。

原田さん:で、月額制に変えてみたら、またうまくいかないんですよ。結局のところ、ただ作るって行為だけをやっている限りは、一括にしても月額制にしてもうまくいかないんです。

本当の価値が何なのか明確にとらえて、その価値を主体的に実現していくっていう考え方が必要なんです。

まず、ビジネス的な成果を出すためのプロダクトがあります。コストを削減するとか利益を生み出すとか、最終的なビジネスメリットを実現するために、このプロダクトの開発をやっているわけですよね。

さらにその先には、新規事業を作っている人が描いているビジョンがあって、そこまでとらえる必要があるんです。そのシステムを誰に使ってもらって、どううれしくなるかという感情面まで注目しなければいけなくって。

そこに注目して、価値あるシステムを自分たちが作るってことが、はじめて見えてくるんですね。

言葉で説明すると、むちゃくちゃ抽象的なんですけど。そういう意識がなければ、どんなスタイルでやっても、失敗する可能性がすごく高くなるんです。

そういったことに気づいてから、すごくうまくいきはじめて、月額制というスタイルがしっかりと定着していきました。

こういうマインドセットが重要なので、つねに、それをメンバーにも伝える努力をしています。新しい人が入ってきたときの研修メニューにも入れています。

メンバーは、技術とモノづくりが好きな人たち

開発チームの様子を、少し教えてもらえますか

原田さん:会社全体としては、作り手の組織であることを意識しています。作り手が、価値あるものを作り出していることを実感できて、楽しめる。それが mofmof の目的です。会社は、その作り手たちが価値があるものを作り出していくための場所です。

現在のメンバーは、業務委託をふくめて 20 名くらいです。

技術が好きで、物作りが好きというのが共通しています。ゴールデンウィークなど長期の休みがあると、自作のアプリを開発して、休み明けに公開する人もけっこういます。私自身も、社長である前にエンジニアでありたいと思っています。最近は、なかなか時間が取れなので、休みの日だけ、コードを書いていい日になっています。

ひとつの開発プロジェクトで、メンバーは最小で 2 名としています。あまり人数が多くてもうまくいかないので。数年にわたって継続しているものから短いものまで、年間 10 プロジェクトくらい手がけています。

自社サービスの開発で、楽しみながら腕を磨いていく

いくつか自社サービスも作って、提供していますよね

原田さん:現在、主軸になっているのは、My-ope officeという社内問い合わせ専用チャットボットと、Toridersという請求書に特化したAI解析エンジンです。

チャットボットの場合は、僕が自然言語処理と機械学習について勉強していて。ひとおおり勉強したから何か作りたいなと思って、開発をはじめました。この 2 つの技術を使うとしたらと、まずチャットボットを作りました。それから、売り方を決めて、買い手がついてくれて、”便利です”って言ってもらって。これって、作り手として最高にウレシイことなんですね。そういう醍醐味があるんで、積極的にやっています。ビジネス的にも、なんとかまわっています。

月額制受託開発で作った新規事業は、マーケティングまで手伝うんですか?

原田さん:そこは、お客様の側でやっていきます。新規事業を立ち上げる方は、ビジネスサイドの人なので、マーケティングは自分たちでやっていただいて、私たちは、契約がある限り、開発に対応していきます。開発契約が終わりに近づくと、それまでの事業を評価して予算をとっていただく。また、安定している事業のシステムを開発する場合とか、最初からやり続けることが決まっている場合もあります。

新規事業の成功率ってどのくらいなんでしょう?

原田さん:残念ながら、決して高くないですね。そもそもスタートアップ的な試行で生き残るのって、簡単ではないので。残念だなぁとは思いますが。

モノづくりの難しさとは別に、新規事業を立ち上げる難しさがありますよね。そうはいっても、やってみたいというお客様に次々と声をかけて頂いているんですね。

原田さん:まず最初のモノを作らないと、チャレンジすらできないで終わってしまうので。そのチャレンジを提供しているんだと思います。

月額制の受託開発は広がるか?

ビジネスのデジタル化が進むなか、システム開発を必要とする機会もますます増えてくると思います。このような月額制というスタイルは、mofmof さん以外でも広がっていくと思いますか?

原田さん:IT 業界全体でみると、まだまだ少数派かもしれませんが、私たちから見える景色では、すでに月額制ばかりになっています。

こういうスタイルをマネするシステム開発会社がもっと広がってもいい?

原田さん:Web 系の開発であれば、簡単にマネできるんじゃないでしょうか。私たちも参考にしたところがありますし。

それに、さっき言ったように、ただ月額制にするだけでシステム開発がうまくいくわけじゃない。あくまで条件のひとつです。本当の価値が何なのか明確にとらえて、その価値を主体的に実現していくっていうマインドセットが不可欠なんです。

最後に、Hexabase みたいなバックエンドサービスを、どう思いますか?

原田さん:興味ありますよ。それに、ビジネスの方向性としては、これだなって感覚もあります。日本のエンタープライズ系のシステムを作っている人たちには、国産サービスに親和性があるんじゃないでしょうか。

チャンスがあれば、ぜひ評価をお願いします。今回は、ありがとうございました。

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