COLUMN
2025年09月12日
【AI駆動開発】AIに“合わせる”ことで、僕らの仕事はもっと面白くなる。
カテゴリー:AI,開発,ClaudeCode,AI駆動開発
タグ:AI,開発,ClaudeCode,AI駆動開発
「いよいよ、人間がAIに合わせる時代がやってくる」
開発の最前線にいると、この感覚が日に日に強まっています。
「人間がAIの召使いになる」わけではありません。
人間とAIが真のパートナーになることで、これまで不可能だった創造性が解き放たれる。
そのために私たちがやるべきことは、AIが力を発揮できる“環境”を整えることです。
ちょっと違和感感じる方もいるかもしれませんが、この歩み寄りは、システム開発と私たちの仕事はもっと面白くするカギとなります。
1. AIにとっての「最高の仕事環境」とは?
AIを使いこなす人は、AIの特性をよく理解して、AIが最高のパフォーマンス(スピード、質、正確性)を発揮させることができます。
AIは より明確なデータ、構造化された指示、一貫したルールで最大性能を出します。
AIが正しく生成できるよう準備するのは人間の仕事──これが「AIに合わせる」の本質です。
2. 現場で進む“AIに合わせる”具体策(3つ)
① 「仕様書」をAIへの最高の指示書にする
かつては曖昧な要件から人が試行錯誤していましたが、今はAIが理解できる詳細な「仕様書(スペック)」を人間が記述するスタイルへ。
構造化インプット=高精度出力となり、手戻りや認識齟齬が劇的に減少します。
基本フォーマットをあらかじめ用意しておき、少しのプロンプトで指示するだけで、高精度の仕様書(スペック)を準備することができます。
② 人とAIが理解しあうワークフローをつくる
Mermaidなどのダイアグラムを用い、AIと対話しながら設計図を確認しながら、人間がわかりやすい形でAIから出力してもらいます。
UMLのような図で構造を示すことで、人はAIの考えを理解しやすくなり、AIの成果物を信頼できるようになります。これにより設計段階から頼れるパートナーになります。
ここで重要なのは、人と人が理解しあうためのドキュメントではなく、人とAIが理解しあうワークフローをつくること、です。AIとの信頼関係はAI駆動開発において大変重要です。
③ プロジェクトの「お作法」をAIに教える
コーディング規約・設計思想を Claude.md のようなプロジェクトの教科書にまとめて、常にAIのコンテキストへ投入します。
これにより AIは一貫性のあるアウトプットを継続的に出し、信頼できるチームの一員として機能します。
プロジェクトWikiのようなプロジェクト横断ドキュメントを生成しておき、常にそのドキュメントを参照できるようにすることで、AIが正確な成果物を出力できるようなります。これもAIが成果を出しやすい環境を人(とAIが)整える、典型例です。
3. 社会全体が、AIと共に進化する
「社会のルールをAIにどう適用するか」という議論と同時に、教育・創作の現場でAIを創造性拡張のツールとして活用する動きも加速。
日本がAI開発に魅力的な環境として注目されつつある兆しも見えます。
4. エンジニアが“再び”創造の主役に
「AIに仕事を奪われる?」→ 逆です。
退屈な定型コード/単純テスト/ドキュメント整備はAIが圧倒的効率で担当。
私たちは 「顧客課題をどう解決するか」「どんな新しい価値を創るか」 に集中できます。
結果、設計・判断・発想といった創造の核心で、エンジニアの価値がより鮮明になります。
わたしは、AIと一緒にコーディングするこの時代が、少なくとも今まで生きてきた中で、最も楽しいエンジニアライフだと実感しています。
5. まとめ:人間がAIに“合わせる”=創造性を最大化する
- AIが最大性能を出す環境(データ/指示/ルール)を人が整える。
- 人が理解しやすい仕様書・図・プロジェクト規約を、AIが準備する
- 創造は人間、作業はAI。エンジニアの作業はなくなり、人は“創造”の中心へ
人間がAIに合わせる時代。
それは エンジニアが再び「創造」の主役 となり、誰もがワクワクして働ける未来の、はじまりです。
