2025年06月10日

AIネイティブ開発コラム:Cursor vs Claude Code 実践レポート

カテゴリー:AI

タグ:AI

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Hexabase Skill Friday(2025年6月6日)では、AIを活用した自動コーディングの最新ツールとして、CursorとClaude Codeが登壇。ここ1週間で筆者(岩崎CEO)が触れてきた2大ツールの使い勝手とポテンシャルを「実践レポート」形式でお届けします。

1. Cursor──VS CodeライクUIで“対話+即時生成”を実現

1.1 UIとワークフロー

Visual Studio Code風インターフェース

  • 画面左:プロジェクトのファイル一覧
  • 中央:エディタ(コード表示)
  • 右:チャットUI

操作の流れ

  1. 右側チャットに「こんな機能を追加して」と要件を自然言語で入力
  2. AIがリアルタイムにコードを生成し、差分をファイルに反映
  3. 生成後、エディタで即座に中身をレビュー・修正

1.2 使って分かった“3つの魅力”

1,直感的な対話感

  • 「ここに引数をチェックするロジックを書いて」「テストケースも生成して」といった指示が自然な日本語でOK
  • チャットUIのレスポンスとして「差分」「追加ファイル」「修正ポイント」を一覧表示

2,リアルタイム差分反映

  • AIが生成したコードは即座にファイルツリーに追加・更新されるため、「どこがどう変わったか」が一目瞭然
  • コードレビュー感覚で、AI出力を“差分”として素早く把握可能

3.日本語対応

  • 基本的には英語ベースのツールだが、日本語で要件を投げても適切に解釈
  • 日本語ドキュメントやコメントを生成できるため、国内開発チームでも抵抗なく導入可能

2. Claude Code──CLIで“要件→設計→実装”を一貫自動化

2.1 インストール&起動

npm install -g @anthropic-ai/claude-code
claude
  • npm経由でグローバルインストール
  • ターミナルでclaudeと打つだけでCLIセッション開始

2.2 基本コマンドとフロー

1./init

  • 最初に「プロジェクト要件」を投入すると、AIがclaude.mdに要件要約+アーキテクチャ案を書き出し

2./plan

  • 要件を基に、「フェーズ1: テストモジュール構造変更」「フェーズ2: APIエンドポイント実装…」といったタスクプランをフェーズ分けして出力

3.TDDポリシー設定

  • 「テスト駆動開発で」「カバレッジ90%以上で」とCLI上で指示すると、レッド→グリーン→リファクタのサイクルを自動実行

4.IDE連携

  • /ideコマンドでVS CodeやCursorと連携可能
  • 差分がターミナル出力からIDEに自動反映され、エディタでの確認・デバッグがシームレスに

2.3 実際に使って感じた“強みと留意点”

強み

1.プラン重視の設計プロセス:いきなりコードを書かず、「まずはAIに設計プランを出させる」というベストプラクティスを徹底できる。

2.CLI完結:エディタに依存せず、ターミナルだけで要件受け渡し→設計→コード生成→テスト→デプロイ準備まで一気通貫できる。

留意点

1.要件の“粒度”が命:AIに渡す要件は細かく、かつ明確に書かないと、プランやコードの品質が落ちる。アーキテクチャ要件やテストポリシーはしっかりテキスト化が必須。

2.CLIログの見やすさ:テキストベースなので情報量が多く、ログを追いかけるにはスクロール操作や検索が必要。適宜フィルタリングオプションを活用すると良い。


※エディタから外部MCPサーバーを利用可能(MCPサーバーについては、別コラムで紹介予定!)

特徴

Cursor

Claude Code

操作UI

VS Code ライクなGUI

ターミナル(CLI)

ワークフロー

対話→即時コード生成

要件投入→設計プラン→コード生成→テスト

導入方法

Downloadして
ローカル(PC/Mac)へ
インストール

npm installだけでOK

設計プランの可視化

差分として出力

Markdownファイルで体系的に出力

TDD対応

チャット命令で都度生成

CLIでTDDポリシー設定→自動実践

日本語対応

高い(GUIも日本語OK)

日本語入力可、ログは英語ベース

使い分けの目安

  • 短時間で対話的にコードを書きたい → Cursor
  • 要件定義から設計プラン生成まで一貫した自動化が欲しい → Claude Code

4. まとめと今後の展望

CursorとClaude Codeは、いずれも「開発者がAIと対話しながらコードを書く時代」を加速するツールです。

  • Cursorは「GUI上で直感的に」「リアルタイムに差分を確認しながら」開発を進めたいシーンに最適。
  • Claude Codeは「CLIだけで要件→設計→実装→テストまで自動化し、プランを重視した開発プロセスを実践したい」場合に威力を発揮します。

今後は、両者の強みを組み合わせたハイブリッド運用や、さらに進化したAIコーディングツールの登場にも注目。Hexabaseでもこれらツールを取り込みつつ、社内ワークフローへの最適化を進めていきます。次回Skill Fridayでは、どんなAIツールが飛び出すのか──引き続きレポートをお楽しみに!


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